「何がわからないのか?」がわからない
「何がわからないのかがわからない」…どういう状態なのかをまず理解しましょう
1. 知識の「インプット」が圧倒的に不足している
1つ目の原因は、新しい単語や公式、基本的なルールといった最低限の知識が頭に入っていないことです。
例えば、英語の長文を読んでいるときに「何がわからないかわからない」となるのは、そもそも単語の意味をほとんど覚えていないというケースがあります。
ゲームに例えるなら、ルールの説明書を全く読まないまま、いきなりボス戦に挑んでいるような状態です。
ベースとなる知識が不足していると、問題文を見ても「見慣れない文字の羅列」にしか見えず、自分がどの部分でつまずいているのかを判断するための「基準」すら作れなくなってしまいます。
2. 「わかったつもり」で段階的な積み重ねを飛ばしている
2つ目の原因は、過去の学習内容が曖昧なまま、難易度の上がった新しい単元に進んでしまっていることです。
小中学校の勉強、特に算数・数学や英語は「積み上げ型の教科」と呼ばれます。
前の単元が理解できて初めて、次の単元が理解できる仕組みになっています。
例えば、算数の「分数の計算」が曖昧なまま中学校の「文字式や方程式」に進むと、仮に数式の立て方は理解できても、最後の計算で必ず間違えてしまいます。
本人は「方程式がわからない」と思い込んでいますが、本当の原因はもっと前の「分数の計算」にあります。
このように、過去の「わかったつもり」が蓄積すると、現在の問題のどこに原因があるのかを見失ってしまうのです。
(左図は「算数・数学の学習系統関連図」の一部)
3. 自分の思考を「言語化」する習慣がついていない
3つ目の原因は、自分がどこまで理解できていて、どこから混乱したのかを言葉にする経験が足りないことです。
勉強が苦手な生徒の多くは、問題を解くときに「なんとなく」で進めてしまいがちです。
解説を読んだときも「ふーん、そうなんだ」と感覚的に納得して終わらせてしまうため、いざ自力で解けなかったときに、自分の思考のプロセスのどこにバグ(間違い)があったのかを突き止めることができません。
「どこまでは分かったけれど、ここから先が意味不明」という境界線を引くためには、自分の頭の中を整理して言葉にする力が必要不可欠なのです。
「わからない」状態をクリアにする具体的な解決方法とは?
1. 「学習内容が絞り込まれた教材」でハードルを下げる
「何がわからないのか…?」と悩んで出口を探している時に、あれもこれもと手を広げると迷路により深く入り込んでしまいます。
「やるべきことを必要最小限に絞り込んだ教材」を選ぶことです。
例えば数学ならば、重要な公式や絶対に落とせない基本パターンの問題だけに厳選された薄い冊子やタブレット教材などを活用しましょう。
学習内容が絞り込まれていれば、「このページだけをやればいい」と目標が明確になります。
問題数が少ないので自分が「解ける問題」と「解けない問題」の境界線がシンプルになり、「何がわからないのか」の正体が見えやすくなります。
2. 前の段階(学年や単元)へ戻る(フィードバック)作業が容易な環境を作る
次に重要なのが、わからない原因を突き止めるために「過去の学年・単元へすぐに戻れる(フィードバックできる)教材」を用意することです。
中学2年生の「連立方程式」でつまずいたとき、連立方程式の計算をどれだけ繰り返しても理解できない場合があります。
その原因の多くは、実は中学1年生の「一次方程式」、あるいはもっと以前の「正負の数の計算(マイナスの処理)」にあったりします。
このとき、該当する過去のページや前学年の教材へ、リンクをタップ一回またはページ1めくりですぐに戻れる教材が非常に有用です。
フィードバックにたどり着いたら基本的な例題にトライしてみましょう!
「あれ、わかってないかも?」と思ったらもう少し繰り返してみます。
「いや、これはわかってる」となれば、次のフィードバック先を確認しましょう。
現在の単元と過去の単元が地続きで繋がっていることを実感しながら、つまずきの根本原因まで瞬時にバックできる環境こそが迷子を出さない最強のセーフティネットになります。
3. 「〇〇までは解けた」という現在地を言葉(文字)にする
問題を解く時には、「自分の思考の足跡」を必ずノートに残しましょう。
その際に、もし間違えた場合はただ落ち込むのではなく、「この立式(式を立てるところ)までは合っていた。でも、次の行の移項(符号を変えて引っ越す作業)で間違えたんだ。」というように、自分の現在地と言葉で向き合います。
学習内容が絞り込まれ、前学年へのフィードバックが容易な教材を使っていれば、「あ、自分は中1の『方程式』の移項のルールを忘れているんだ」と気づくことができます。
そこから弱点(移行)をピンポイントで治療します。
このサイクルを繰り返すことで、「何がわからない」かがわかるようになり、自分で解決する力が身についていきます。
